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山田風太郎の明治小説(4)~「ラスプーチンが来た」「明治十手架」~。
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「ラスプーチンが来た」(文春文庫)

 主人公・明石元二郎は明治・大正期の日本の陸軍軍人で、日露戦争でロシアの後方撹乱のためレーニンらによるロシア革命を支援し、後の台湾総督になった人物。

 その明石が若き日に乃木希典一家と関わった事から幾多の怪事件に遭遇し最後は「大津事件」を影で操るラスプーチンと対決する事となるのだが、とにかくこの明石元二郎という男の“怪男児”ぶりが痛快。
(「坂の上の雲」にも出て来たはずなのだが何故だか印象に残っていない(^^ゞ。)
 山田風太郎の小説で主人公キャラベスト10に入るんじゃなかろうか。身近にいたら嫌だけど。不潔度が半端無くて。

 終盤タイミング良く川上音二郎一座が登場して、明石に頼まれて明治天皇とお付きの神官に化けてロシアの軍艦に乗り込んで共にヒロインを救出しようとするくだりは笑ってしまったが、「ハッピーエンド」とは言えない結末に驚かされた。
 
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「明治十手架」(上)(下)(読売新聞社刊)

 「地の果ての獄」では脇役だった原胤昭が本作の主人公。

 元南町奉行所与力にしてプロテスタント牧師という異色の経歴の持ち主。
 日本で最初に自身が設立した女学校でクリスマスパーティーを開いてサンタクロースを登場させた人でもある。



 その原胤昭が若き日に銀座で絵草紙屋を営む傍ら「出獄人保護所」の仕事をも請け負う事となり、牢から出て来た免囚を預かって起居を共にしながら仕事先を探してやるのだが、上巻は彼らと因縁がありつけ狙う警視庁の悪辣な巡査一味と戦う胤昭と出獄人達の人生模様。

 「警視庁草紙」+「地の果ての獄」といった趣の作品。

 胤昭の武器は鉤の折れた十字架の様に見える十手で、この十手が作品を通じて重要アイテムの役目を果たす。

 下巻ではそれまで狂言回し的役回りだった胤昭が事件の中心人物となる。

 明治16年(1883年)9月、自由党員を応援するような内容の錦絵を販売したとして新聞紙条例違反等の罪に問われ石川島監獄に収監されてしまう(禁固三ヶ月)。
 この機に胤昭を亡きものにしようと企む警視庁の巡査どもに、表面上は従ったふりをしながら世話になった胤昭を救出すべく力を合わせる出獄人達。

 クライマックスは出獄人vs巡査の肉弾戦「けだもの勝負」。
 「けだもの勝負」は第五番まであり、奇想天外な方法で出獄人が巡査を倒すが最後は相討ちとなる(この辺りは忍法帖のノリ)。

 胤昭最愛の人を巡査どもに殺されてしまうくだりは悲しかったが(陵辱されそうになって自害)、ともかく救いのある結末で良かった。
 
 本作は「このミステリーがすごい!」1988年度の国内部門18位にランクインしている。

 切支丹ものでもあり、忍法帖でもある傑作。

   ↓気が向いたらどぞ。
  
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by tokkey_0524zet | 2015-12-08 20:54 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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